nostalgic-showa’s blog

ノスタルジックの世界へ

突然、、、


仕事のノルマを終えもうすぐ会社に着く頃
突然電話がなった
相手は母の務め先の責任者だった
その電話で母が倒れ心肺停止になり救急車で運ばれた事を知った
それを聞き姉へ連絡先し残務処理を終わらして
何故そこに運ばれたのか疑問である場所へ慎重に向かった
無論いろいろな事が頭を駆け巡る

1時間くらい掛かったろうか大きな大学病院の駐車場へ車を停めた
救急入口から建物へ入り受付へ向かった
親族だと言う事を告げると書類を書かされた
そんな場合では無いと思ったがそれに応じた
書き終えると担当医から説明があるとある一室へ案内される
この経緯でもうダメだと言う事は薄々判っていた
その部屋には現場から付き添った会社の人が座っていた
その人から当時の状況の説明を受けた
そして担当医が部屋へ入ってくる
倒れた状況と搬送の経緯の説明を受け
大きな要因はではないかとレントゲン写真を見せられた
クモ膜下出血であった

後から姉が娘を引き連れ部屋に入ってきた
再び説明があり母の居る別室へ向かった
その道中分かってはいたが僅かな望みを持った

ドアが開き案内されたベッドの上に母は寝ていた
これから最後の確認をすると場慣れしないインターンが始める
時が刻まれる
姉と供に呆然と立ち尽くしていると看護婦が近くへ寄る様に導く
オレもそうだが姉もまだ現実を受け止められない
声も出でないし涙も出ない

母のそばに寄り添い何故だと肩に手をやる
そして手を取って話かけた
まだ温かかった

まだ親孝行などしていない事
何も言わずに逝ってしまった事
それを悔いた
そう思ったら涙が流れた

持ち物の確認をしベットを移され安置所へ移された
別の掛かりから葬儀屋の手配などの事を聞かれた
父の時を思い出し少し待ってくれる様に頼む
言われていた事を思い出しそれを頼りに調べ初め連絡をした

イメージ 1

次の日でも大丈夫であったが
連れて帰りたかったのですぐに迎えに来てもらった

病院で送り出し後から家へ向かう
途中で義兄を拾い自宅へ

搬送車が先に着いていた為
近所は大騒ぎであった
余りこの事を広めぬ様にお願いをしたが
そのそばから井戸端会議が始まった

それから近い所から連絡をし
葬儀の事で動いた

葬儀の打ち合わせの前
チャイムが鳴ったので出ていると親玉を気取る隣人であった
通夜と葬儀はどうするのか家族葬にするのか
亡骸に合わせてもらえないかと詰め寄られる

亡くなった当日で何も決まって中
何で挨拶程度の仲のお前に最初に教えなけれならないのか
お前の都合なんてどうでも良い事気遣う必要があるのか
今お前なんて相手にしている暇なんか無い
言うなと言ったのにも関わらずどこまで無神経なのか勝手な奴らだとそう思った

近所は明日の夕方にして貰った

親類に来て貰って葬儀内容が決まった
場所は親父の時と同じ

それから余り自ら連絡を取っていない田舎へ調べて連絡する
突然な出来事で誰もが驚いた

最後だと思い
母と肩を並べ父の仏壇と共に寝ようとしたが寝れなかった

次の日も葬儀への準備
次の日も来客の準備
そんな中人の事情も知らずに
次々と別れの挨拶をと訪問客が

通夜は伝わる人だけで行い過去の付き合い遠のいてる人には連絡しなかった


田舎の伯母さん達が着いて
亡骸に何故だと話掛ける
寝てないで起きろと
それを見ていたら泣けた

名取りを取って途中で辞めてしまったが
母は50歳前後から民謡習いを初め
いくつかの大会へ出て高成績を収め県で優勝した事もあった
その後は身近なイベントで歌ったり
カラオケサークルに参加していた

通夜は盛大に行おうと
母の痕跡である民謡のトロフィーや賞状飾り
歌ってる姿の映像を流した

我ながら良い通夜だったと思う

葬儀も無事終え
母が望んだであろう形で
送り出す事が出来たと思う


まだまだこれからだが
未だに何も言ってくれない


喘息や血栓などで病院にも足しげく運び
定期的に検診も受けていた
1年前ぐらいに心臓の血管を広げる手術を受け
これから長生きすると思っていたが

心の準備もしていないまま
それが突然


「貧乏暇無し」 「クリシミマス」と良く言っていたが
贅沢など何一つ望まない母であった

子供の頃は馬に乗って駆け回っていた母
勉強も出来ずに育ち読み書きすら出来なった母
シとスも分け隔てて言えなかった母
仕事も家事も続け休み無しで働き最後まで働いた母
父に殴られながらも最後まで寄り添った母
無駄遣いすらせず自分の楽しみを後廻しにした母

男優りな偉大な母であった


あれだけ心配症で口煩かった母が

                   何故なにも言わずに逝ってしまったのか


最後まで潔い母であった


                   これでオレの味方は誰も居なくなってしまった